COLUMN

離婚調停の前に揃えておきたい不動産資料チェックリスト

公開 執筆 不動産鑑定士 吉田健人
離婚調停の前に揃えておきたい不動産資料チェックリスト

離婚調停で不動産の財産分与が争点になる場合、資料が揃っているかどうかで進行の速さが変わります。調停が始まってから慌てて集めるより、申立ての前後で揃えておくのが得策です。入手先と合わせてまとめました。

権利関係の資料

登記事項証明書(登記簿謄本)。物件の名義・持分・抵当権の状況がわかる基本資料です。法務局の窓口またはオンライン(登記情報提供サービス)で誰でも取得できます。相手方名義の物件でも取得可能です。

購入時の売買契約書・重要事項説明書。購入価格は特有財産の按分計算などで必要になります。手元にない場合、仲介した不動産会社に写しが残っていることがあります。

ローンの資料

残高証明書または返済予定表。借入先の金融機関で発行してもらえます。オーバーローンかどうかの判定、代償金の計算に必須です。名義人しか取得できないため、相手方名義のローンは開示を求めることになります(調停での開示の進め方は弁護士にご相談ください)。

金銭消費貸借契約書。ペアローン・連帯債務・連帯保証の別がわかります。離婚後のローンの整理を考えるうえで重要です。

税金・維持費の資料

固定資産税の納税通知書(課税明細書)。毎年春に届くものです。固定資産税評価額はそのまま時価には使えませんが、物件の面積・構造の確認資料として有用です。紛失した場合は市区町村で評価証明書を取得できます。

マンションの場合:管理費・修繕積立金の額がわかる資料。月々の負担額に加え、修繕積立金の積立状況(重要事項調査報告書で確認できます)は物件の価値に影響します。

別居前にしかできないこと

別居してしまうと、自宅内にある資料へのアクセスが難しくなります。上記の資料のうち自宅に保管されているものは、別居前にコピーを取っておくことを強くおすすめします。購入時の契約書、ローンの契約書、リフォームの請負契約書などは、後から再入手しにくい資料です。

また、室内の状況(リフォーム箇所、設備、損耗)の写真を撮っておくと、後日の評価で室内に立ち入れない場合の資料になります。

資料が揃ったら

これらの資料が揃っていれば、不動産鑑定士への相談も見積りも速く進みます。当事務所では、資料一式を拝見して「この事案で評価を取る意味があるか」からお答えしています。調停の期日が決まっている場合は、期日から逆算したスケジュールもあわせてご提案します。

この記事を書いた人

吉田 健人代表取締役・不動産鑑定士

株式会社KRE Appraisal代表。相続・離婚・借地・賃料など、価格が争点になる場面の鑑定評価を扱う。不動産鑑定士(登録 第11191号)。

プロフィール →
お問い合わせLINE電話する
↑