COLUMN
離婚後の家を「とりあえず空き家」にする隠れたコスト

離婚の際、家の処分を決めきれず「とりあえずそのまま」にするケースがあります。双方が新しい住まいに移り、家は空き家に。気持ちは分かりますが、空き家の放置は静かにお金を失い続ける選択です。
空き家が生む4つのコスト
① 保有コスト。固定資産税・都市計画税は住んでいなくてもかかります。マンションなら管理費・修繕積立金も毎月続きます。年間数十万円規模の支出が、誰も使わない家に流れ続けます。
② 保険と管理の費用。空き家は火災保険の条件が変わる(保険料が上がる、契約できる商品が限られる)ことがあります。通風・通水・草木の管理を怠れば、近隣トラブルの種にもなります。
③ 建物の劣化。人が住まない家は傷みが早いと言われます。換気されない室内のカビ、水道管の劣化、雨漏りの発見遅れ。数年放置した戸建の劣化は、そのまま売却価格の下落として跳ね返ります。
④ 価格変動リスク。「そのうち売ろう」と思っている間に、市況は動きます。上がることもありますが、タイミングを選べない売却は、たいてい条件の悪い時期に追い込まれてから行われます。
「決められない」の正体は、数字がないこと
処分を決められない理由を掘り下げると、多くの場合「この家がいくらなのか、売ったらいくら残るのか」が分からないことに行き着きます。
- 時価とローン残債が分かれば、売却で手元に残る金額が見える
- 保有コストの年額が分かれば、「1年迷うことの値段」が見える
- 賃貸に出した場合の収支が分かれば、第3の選択肢と比較できる
数字が揃えば、「売る・貸す・どちらかが住む」の比較は難しい判断ではありません。逆に数字がないまま話し合うと、感情の応酬になり、結論はまた先送りされます。
離婚協議と同時に方針だけは決めておく
理想は、離婚協議の中で家の方針(売却・取得・期限付きの保留)まで決めてしまうことです。保留にする場合も、「いつまでに」「どちらの負担で維持し」「その費用は最終清算でどう扱うか」を書面にしておけば、空き家の無限の先延ばしは防げます。取り決めの設計は弁護士にご相談ください。
まとめ
- 空き家の放置は、税・保険・劣化・価格変動の4面でコストを生む
- 決められない原因は数字の不在。時価・残債・維持費を揃えれば判断できる
- 保留するなら期限と負担を書面で決めておく
「売るか貸すか住むか」を数字で比較したい方に、判断材料としての時価評価をご提供しています。





